
製造業において、業務効率の向上は非常に重要なポイントです。製造業務だけでなく、在庫管理・納期管理・原価計算なども円滑に進める必要があります。そこで、生産管理システムの導入がおすすめです。このシステムにより、モノと情報の流れを一元管理し、生産性の向上が期待できます。本記事では、導入にかかる費用の相場について解説します。
生産管理システムの提供形態別に見る費用相場とは?
生産管理システムは、そのサービス内容が幅広く、費用相場は100万円から1,000万円以上までさまざまです。費用は扱う人数・製品数・売上高などを基準に決めるのが一般的です。ここでは、システムの形態ごとの特徴や初期費用・月額費用、さらに企業規模別の相場についてご紹介します。オンプレミス型
オンプレミス型とは、自社のシステム環境内で運用する形態です。カスタマイズ性が高く、セキュリティ面でも優れているため、複雑な情報や工程もスムーズに管理できます。企業独自の価値観を反映しやすく、満足度が高いことが特徴です。しかし、アップデートやメンテナンスは社内で行う必要があるため、専門スタッフの確保が求められます。費用は高額で、300万円から2,000万円程度かかる場合があります。
クラウド型
クラウド型は、クラウド上のシステムを利用する形態です。サーバーの設置が不要なため、初期費用を抑えられ、導入までの期間も短く済むのがメリットです。利用料金は月額制で、相場は約5万円程度となります。ユーザー数によって変動し、場合によっては初期費用が発生することもあります。オンプレミス型に比べてコストがかなり抑えられ、中小企業に適した選択肢です。ただし、データはクラウド上に保存されるため、セキュリティ面ではオンプレミス型に劣る点に注意が必要です。
企業規模の相場イメージ
中小企業には、コストコントロールがしやすいクラウド型が適しています。月額約5万円で利用できるため、必要な機能をよく検討して導入しましょう。なお、取り扱うデータの機密性が高い場合(顧客情報や個人情報、社外秘情報など)は、低予算でオンプレミス型を検討するのも安心です。一方、中堅・大企業ではオンプレミス型が主流です。費用は1,000万円以上が相場で、カスタマイズによっては5,000万円以上かかることもあります。十分に機能を活用し、効果的にコストを回収できることが期待されます。
費用を抑えて導入する方法とは?補助金や見積もりのポイント
生産管理システムの導入には、IT導入補助金を活用することで費用を大幅に抑えることが可能です。ここでは、導入時に押さえておきたいポイントを解説します。IT導入補助金の活用
中小企業や個人事業主を対象に支援されるIT導入補助金を積極的に利用しましょう。ITツールの費用の一部が補助されるため、大きな節約につながります。補助金を受けるには、対象のIT導入支援事業者に依頼する必要があります。生産管理システムの業者が登録済みか、必ず確認してください。補助率は企業の運営状況によって異なり、通常は中小企業で費用の1/2が補助されます。さらに、従業員の30%以上を最低賃金+50円で3ヶ月以上雇用している場合は、補助率が2/3に引き上げられます。
補助金の限度額は、ITツールが3つまでなら150万円、4つ以上なら450万円です。たとえば、オンプレミス型の生産管理システムは最低でも300万円程度かかりますが、補助金を活用すれば150万円程度で導入できるケースもあります。申請を忘れずに行い、コスト削減を図りましょう。
検討すべき項目
生産管理システムには基本機能が標準搭載されていることが多く、主な機能は生産計画・資材調達・原価計算・作業指示などです。企業の業務内容によっては、これら基本機能で十分な場合もあります。そのため、必要以上のカスタマイズは避け、まずは基本機能を試してから課題を抽出し、優先度の高い機能から導入することをおすすめします。